富山県高岡市にある女性鍼灸師(針灸師)の小さな鍼灸院です

 

 

あるまのはり灸

 

養生法としての鍼灸 

 

風邪をひいたとき、私たちの身体は免疫機能を発揮してウイルスに対抗し、自ら治そうとします。食中毒にかかった時でも、身体は下痢として悪いものを体外に排出しようとします。これらは、各人が持っている自己治癒力の表れです。はり灸は、漢方薬と同じでこのような自分自身が持っている力を高める効果があります。はりと灸は、その個々の治癒力の邪魔をしないように繊細な刺激でなければいけないと思っています。ツボの一番反応の良い高さは、一人一人違うので、刺さない鍼を使うことも多いです。

 

未だ病として本人が自覚する前に状態を治すという予防医学の考え方は、2000年も前に書かれた中国の古い医学書に既に登場しています。普段から症状が特になくても、体調管理としてのはり灸施術を勧める意味はここにあります。長い時間をかけて人々の間に受け継がれてきた漢方の知恵は、現代生活の中でも有効だと感じています。

 

現代医学で同じ病名でも、各個人とその疾病との関係で、はり灸の施術方法も違います。当院では、東洋医学の診断に基づいて、鍼灸治療を行っています。30年近く鍼灸師をしていますが、未だに道途中です。亀の歩ではありますが、一生かけて鍼灸を研鑽していきたいです。

 

 

 

自分でお灸

 漢方医学で病の原因とされる”湿邪”ここ富山は、四季を通して湿度の高いところです。長い間患った痛み、特に痺れ、胃腸の不快感なども、この湿邪が影響している場合が多いようです。

 

お灸は、その湿を取り去るのに有効です。

 

逆子(骨盤位)の矯正も、ご自宅でのお灸をお勧めしています。

 

興味のある方は、お気軽にご相談ください。

 

子供のはり灸

 私がはり灸を学んだ関西では、子供の健やかな成長を手助けするために、子供のはり、小児はりが盛んです。大人と違って、ツボのライン(経絡)がまだ未完成ですので、皮膚を擦る施術になります。お母さんやお父さんがご自宅で出来ることもお伝えしていきます。

 

女性とはり灸

 月経に伴う諸問題、不妊症に対して、妊娠初期のつわりにも、鍼灸(針灸)は有効です。心地よい鍼灸(鍼灸)施術により、ストレスの軽減や末梢循環の改善があり、視床下部ー下垂体ー性腺の活性化が期待できると思われます。婦人科との併用受診も可能です。

更年期にホルモンの分泌量が減るとき、女性の身体には色々な変化があります。不定愁訴 何となく辛いときに、一度鍼灸を受けてみるのも良いと思います。

 

腰の痛み 歩行困難

脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなど、背骨由来の痛みにも鍼灸は効果があります。整形外科での診断に基づき、施術法を決めます。

 

あるまの美容はり

笑顔でいると気持ちも明るくなる 表情筋をゆるめることで、気持ちも前向きになれます。20代、50代、70代、歳を重ねることで得られる美しさは、日々の臨床を通して皆様に教えていただきます。当院の美容はりは、全身調整を主において、お顔の施術は補助的に行っております。皺やシミを取り除くということではありません。

 

 

 

 

NIH(米国 国立衛生研究所)は、鍼灸療法の各種の病気に対する効果とその科学的根拠、西洋医学の代替治療として有効であると発表しました。 

WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性を認めた病気には、次ぎのものを挙げています。

 

 

 

神経系疾患 神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー

 

運動器系疾患 関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)

 

循環器系疾患 心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ

 

呼吸器系疾患 気管支炎・喘息・風邪および予防

 

消化器系疾患 胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾

 

代謝内分秘系疾患 バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血

 

生殖、泌尿器系疾患 膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎

 

婦人科系疾患 更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊

 

耳鼻咽喉科系疾患 中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎

 

眼科系疾患 眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい

 

小児科疾患 小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

 

 

 

 ちょこっと 中国医学のイロハ

 

古代から中国では、生活の中に陰陽五行説という哲学感が根付いています。自然界のいろいろな事象は、陰陽の相互・対立する働きによって絶えず変化し、この宇宙間の全ての事物は、木・火・土・金・水という5つの基本物質から構成されていると考え、それらは、木から火が生まれ、火が土を生み・・・・・という循環と、木が土を制約し、土が水を制約する・・・・という相互関係で、バランスを取り合っています。
人体の生命活動を維持するために重要な物質である、気、血、津液。気は、世界を構成する最も基本的な物質であると考えられています。このような理由で、東洋医学では気の調節を大切にします。はり灸で、この気、血、津液が過不足なく身体に廻り行く様に身体のお手伝いをする事、また、気、血、津液の状態を診る事も、診断即治療に活かされています。以下に、あるまで行っているはり灸の流れを少し書きます

 

[望聞問切/ぼうぶんもんせつ]

 

東洋医学 ここで言うはり灸施術には欠かせない診断方法です。
望とは、字の如く
"患者さんを望む"事。舌診もこの中に入ります。
聞とは、患者さんの声調など。
問は、現代医学の問診と似ています。
切とは、実際に患者さんのお体に触れてみて分かる情報です。これには、脈診や、腹診も含みます。あるまでは、特にこの脈診と腹診を大切に診ていきます。
漢方薬などとも同じで、四季や、風土、お仕事などのその方の生活様式も、はり灸を行うにあたって重要な情報となってきます。心身一如 精神の状態と、体の状態とは一緒に動いています。これが、東洋医学の特徴です。
私達人間も、自然の一部です。二千年以上前に、まだ人間が自然と仲良かった時に体系づけられた医学ですので、以上の情報が必要なわけです

 

[陰陽/いんよう 表裏/ひょうり 虚実/きょじつ 寒熱/かんねつ]

 

上記の望聞問切から得られた事柄から、その患者さんの状態を検討、この4つがそのカテゴリーとなります。 
陰陽と言う言葉は、中国哲学ではよく登場します。この世の全てのものが、陰陽どちらの要素ももって存在しています。
鍼灸では、患者さんの陰陽のバランスと、病の陰陽バランスを診ていきます。
表裏とは、病が、患者さんの表にまだある状態か裏に入ってしまったかと言うことです。表にあるときは、急性のものや、風邪ひきでも悪寒がありまだ発熱していない、もしくは、発熱が始まったばかりの時は、まだ、病邪が浅いところにあるので、それを表とします。裏とは、慢性に移行してしまっているものが主です。虚実とは、病邪の勢いが強いか、患者さんの正気(病を治そうとする力)が弱っているのかを判断します。前者を実といい、こんな時は、邪を出すようにし、後者の虚の時は、体力を高める事をします。
寒熱とは、病邪の種類。寒が強いときは、温めないといけません。気を高める事が必要です。熱の時は、熱を取り去る事をします。

 

[五臓六腑/ごぞうろっぷ]

 

12経絡という、体を縦に走る12本のラインがあります。実際に、鍼やお灸をしていくツボは、この経絡上にありその経絡の名前もこの五臓六腑の各名前がついています。病がどの経絡と密接に関係しているかを判断する時に、この五臓六腑の性格を考慮します。